20代最後のBirthday

結局彼からは何の連絡もなく一日が終わろうとしている。
友達から入るBirthdayメール。
優しい言葉が友達や家族から言われると余計に悲しさが増してくる。

・・・久々に泣いた。誰かを想って。
どうして一日部屋着でいなくちゃいけないんだろう。
お洒落して、買ったワンピース着て、出掛けるはずだったのに。

『付き合おうと』言ってくれた言葉は嘘だったのかな？
『俺の女』と言ってくれたのは嘘？
騙されてるのかな、私。

虚しさと切なさが込み上げて泣けてくる。
泣くもんかと思えば思うほどに。

美味しいDinnerを大好きな人と一緒に食べれると思っていたのに。
虚しくも今日も食事当番だってさ。
何もする気が起きないのに。外食にしたいけど。
足が痛い祖母を抱えている我家はそう簡単に外に出掛けられない。
生姜焼きだったら焼くだけだし、と親に言われ生姜焼きにすることに。

だけど結局、家族の好みはバラバラ。
祖母は肉は食べないし。
結局、生姜焼きの下ごしらえから始まり、野菜を切ってサラダの出来上がり。
祖母用に魚を焼く。
クリームシチューを作る。
先に玉ねぎだけ炒めて、生姜焼きを作る。
海老フライを揚げる。
一体、どこが簡単なんだよ

　　　

全てのコンロに魚グリルまで使って、洗い物だって多いし。
いらいら×いらいら。
予定を空けていたのは、こんな事するためじゃないっ

彼という存在がいるのに悲しい想いをするのは許せない。
もうこの先、連絡がきても無視しようかな。
着信拒否しようかな。
『やっぱり、無理、さようなら』ってメール入れておこうかな。
今までの自分だったら、これにてThe ENDにしてた。
でも、何だか試されている気がする。
ここで許せと。
同じ行動をしていたら、育つものも育たない。

　　　『どこまでも、絶対について行く』
そう、彼に言った。

信じること。許すこと。
今それが試されている瞬間なようにふと感じた。