04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
そろそろ恋愛をしたいと願い運命的な出会いを待つ。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
希菜の就職も決まって、4月から新しい社会人生活が始まろうとしていた時。
まだ3年生であった彼には、あと1年で卒業という時に今の仕事での留学の話が来た。
期間は最短で1年間。
休学しようか、留学しようか、そのまま在籍して大学を卒業するか悩んでいた彼。
どんな仕事についても学歴はあるにこした事はないと思う。
だから留学は断って、大学は卒業しておいた方がいいかなと話す彼。
学校辞めて、この道に本格的に進みなよ!留学してきなよ!と言ったのは希菜。
それから、彼はその道で成功し、沢山の結果を残して、沢山の人に夢を与えた。
3号館の校舎の前で話した時から5年。
彼は幸せだった?この道を選んで。
多くの人に夢を与えて、その道の一線で働けたこと、好きな事を仕事に出来たこと、幸せだった?
でも、その延長線で今回の事故が起こったんだよね。
状況は分からないけど。
誰も信じれなくなり、きっと怪我をした瞬間ははっきり覚えているんじゃないかな。
あの時、こんな風に思えていれば。あの時、こうしていなかったら。
普通に歩けていた体なのに、普通に仕事や好きな事できていた体が。
突然言う事をきかなくなった瞬間。
誰もができないことを出来ていた自分なのに、誰もができる事を出来なくなってしまった体に変わった。
あの時、私が留学は断りなよって言っていたら、どんな生活を送っていたんだろうね。
普通に歩けて、別の場所で活躍して、苦しむことなく笑っていたのかもしれない。
怪我をして、人を信じれなくなり、誰とも話したくなくなって、全てを失い、絶望感で満たされる心と体。
今、苦しかったら、辛かったら、希菜を恨めばいい。
「大学辞めて留学しなよ」
「この世界で必ず成功できる」
そう言った希菜を恨めばいい。
あじわう苦しみの量だけ、希菜を責めればいい。
気が済むまで、いつか笑えるその日まで、希菜を恨み続ければいい。
恨まれたって、責められたって、私はここにいるから。